神聖な静かな夜のために
2019.3.03
一日の終わり、深く呼吸して心身を解放し頭をからっぽにして、自分の内にある静けさにたどり着くひとときが日常的にあると良いと思う。
夜のひとときが待ち遠しくなるような、そして神聖なる眠りに誘うようなお茶を作ろうと思った。
最近茶葉やスパイス・果実をたっぷり使ったブレンドティーを作ることが多く、この春もそういったお茶の発売を予定しているけれど、この「眠る前のひとときのブレンドティー」は久しぶりにシンプルなハーバルティー。
今回初めて、日本の森の恵みをお茶の材料に使ってみた。
以前より樹木そのものの凛とした香りと心身への作用に惹かれていたが、今年に入って森林に携わる方とのご縁により、お茶の材料として使うことが実現した。
他のハーブ・花とブレンドしてみると、それは初めて出会う香りとなった。清々しさと花の甘さが交差しつつも、静けさがある香り。試作を進めるうちに、このブレンドティーの香りに触れることが夜の愉しみとなった。
お茶を飲み進めるにつれ、心身や頭に蓄積された疲労から解放されて、ニュートラルな自分へ戻っていく過程を感じられる。
香りの湯気に見え隠れする樹木やハーブ・花の気配を探っているうちにどんどん眠たくなっていくかも、まるで夜の森に迷い込み、魔法をかけられてしまったかのように。
その魔法使いの主は眠りの神であるあの方。
このお茶の名前は眠りの神様からお借りすることにした。